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瑠夏とぐるぐる 9

昼休み。
「ちょっと」
相沢さんと、その友達たちだ。
相沢さんの友達が、
「あっちゃん、体操着着られなくなったから買い直したって。おい、弁償しろよ!」
まわりに聞こえる大声で言う。
まわりは関心無さそうで・・・耳を澄ませている気がする。
弥南さんは・・・少し離れたところでクラスメートと話している。
「何とか言えよ!」
怒鳴られ、ビク!っとなる。
弥南さんをチラっと見る。
後ろ姿しか見えない。
「おいっ!何とか言えって!」
「ひ!」
女子に乱暴に言われ、やっぱり何も返せない。
相沢さんを見る。顔を歪ませて僕を見ている。
(・・・あぁ・・・やっぱり・・・)
涙が出そうだ。
ガクガク震える。
頭の中が白く濁ってくる。
そのくせ、クラスの誰かがクスクス笑うのがクリアにきこえる。
(僕は・・・僕は・・・)
ダメだ。ダメな奴だ。
せっかく弥南さんが優しくしてくれたのに・・・いや、
弥南さんの事だって、僕に都合良すぎる夢だったんじゃないか?
また弥南さんを見る。
・・・居なかった。
どこへ・・・いや、
もしかして、弥南さんはもともと僕が都合良く作り上げた幻影で、本当は存在しなくて、
目の前の悪意、クラスの嘲笑だけが本当の事なんじゃないか?
僕は足元から溶けていくように思え、自分の身体が自分のものじゃない感じがした。
抑えようとしても震えてしまう。
女子たちのワンワン喚くのが言葉に聞こえない。
肩を突っつかれた。でも神経が切れたように感じられない。
そのくせ心がザクッ!っと切り裂かれたように感じられる。
僕は泣いてるだろうか?いや、まだだ。でも。
僕自身が一気に薄いガラスになったよう。
白くなる。
血が逆流し、ワンワン頭の奥で響くだけで何も聞こえない。
ギュッ!っと固く目を瞑り、静寂の中で自分の内側に閉じ籠り・・・
・・・・・・・・・・・唇に感触。
柔らかい。
目を開けると、弥南さんだった。
「・・・・あ・・・・」
さっきまでと大違いな笑顔で・・・昨日の夜見た、イタズラ混じりのやさしい笑顔だ・・・僕を見つめ、
「特別だからね?」
そういって、僕の頬を撫でて、
「見てらんないよぉ!勇気出して!ね?」
時間が止まっていた。
女子たちが大口開けたまま間抜けに止まっている。
「言い返すの。僕じゃないっ!って。できる?できるよね?」
「・・・・あ・・・・」
涙が落ちた。
「ほら!泣かないのっ!」
軽く僕の頬をポンポン叩いた。
それでニッコリ笑って、
「言い返せるでしょ?ね?」
「・・・うん」
うなずいた。
「が、頑張る」
「んふふ」
弥南さんは離れた。ハンカチをくれた。
「涙拭いて?」
僕はいい匂いのハンカチで涙を拭い、渡す。
受け取った弥南さんは、
「じゃあまた時間動かすけど、一人でやれるよね?ね?」
うなずく。
弥南さんは教室を出ていった。と、時間はまたフウワリと動き出す。
「おいっ!黙ってんじゃねぇよ!」
いっそう強く肩を突っつかれた。
僕は・・・よろけつつ踏ん張り、勇気を、搾り出す。
あの心地よい弥南さんの体温を、唇を、感触を、思い出し、息をスーッ!と深く吸って、
「ぼ、ぼ、僕じゃないっ!な、な、な、何で僕がっ!」
反論するのに慣れてない。
思う以上に大声になってしまい、一瞬、クラス中の空気が止まった。
女子たちも僕の勢いにグッと詰まらせたが、
「て、てめぇ、逆ギレしてんじゃねぇ!てめぇが体操着盗んだんだろ!」
「ち、ちがう!証拠あるのかっ!」
「ふざけんな!証拠ぉ?お前に決まってんだろ!」
「き、きめつけるなら、ハッキリした証拠を出せ!話はそ、それからだっ!」
いつもダンマリの僕に気圧されたのか、相手がグ・・・っと言葉が出なくなった。
と、相沢さんが、
「・・・もう、いいよう・・・・ごめんなさい。そうだよ証拠もないのにそんな・・・ごめんなさい、疑って」
言ってくれた!
「あっちゃんが言うなら・・・」
女子たちが去っていく。
僕は、フーッ!フーッ!と息を荒くして、心臓はドッキドキ!して、
バタン!と崩れるように椅子に座った。
言い返せた。
言い返せたのだ。
しばらく、やっとの思いで出来た事の余韻にボーッとしていると、
隣の席に弥南さんが戻ってきて、
やっぱりクールに無表情だったけど、僕をチラっとみて、優しく笑った・・・気がした。
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テーマ:18禁・官能小説 - ジャンル:アダルト

  1. 2014/05/28(水) 19:57:28|
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