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瑠夏とぐるぐる 24

「・・・瑠夏」
患者さんの寝顔につい見入ってたアタシに、キンチョーした声でセンセーが言う。
患者さんは、ほとんど外に出ないでヒキコモリってヤツで、顔がたるんでるし、太って、ハゲかかってて、ていうか改めてジックリ見ると頭のテッペンがもうヤバくて、でも、それでも子供のころの面影はある。特別カワイイ男の子ってわけじゃないけど。まー、フツー。意外とまつ毛が長い。今だって、もっと痩せて髪ごまかせばなんとかなる気がする。
つーか、今は患者さんの心は『アッチの世界』で、子供に戻ってるハズだから、それが寝顔にエーキョーしてるのかも。
「・・・瑠夏?大丈夫か?」
ちょっとイライラしたふうにセンセーがくりかえす。
「うん」
アタシはうなずいた。頭に付いたコードがウザい。
そのコードは伸びて、ゴチャゴチャ機械にくっついて、モニターによくわかんない数とか色とかが出てる。
それがアタシだ。
そこからまたコードが伸びて、相沢さんと、そのとなりの彼につなげられている。
二人のモニターはアタシからは見えない。
相沢さんは・・・・美人だけど、だいぶ年とって見える。
疲れて死んだ人みたい。
誰も来ないデパートのマネキンみたい。
三人がつながってる。初めてのことだ。
「じゃあ、瑠夏、いいか?」
「うん」
アタシはうなずく。
渡されたアイマスクを着け、横になった。
ぽ・・・・ぽ・・・・・・・ぽ・・ぽ・・ぽ・・・・・ぽ・・・・・っとケムリみたいなあかりが目の前でまたたく。
しばらくそうしてると、からだがしずんでく感じになる。
薬がきいてきた。
眠るわけじゃないけど、眠るのと起きてるのと半分づつぐらいな感じをユラユラして、クラ・・・として、頭の中でうわぁぁん・・・ってちっちゃく鳴ってる。機械の音だか、自分の中の音だか、いまだにわからない。
いつの間にか自分は薄暗いなにもない中に立ってて、目を開いているのに気づく。
ポヤポヤと全身の血管がさわぐ感じ。
だいぶなれたけど、やっぱり自分が形になってない気がして手をグーパーする。
携帯が鳴った。
『・・・どうだ?』
「うん。大丈夫みたい」
『今回は、二人の意識を行き来する事になるが、相沢さんの方は後回しだ』
「うん」
『何か問題が起こったら直ちにコチラに戻す。携帯が鳴ったら迅速に出るように』
「ジンソク?」
『すぐに、急いでって事だ』
「うん」
『・・・どうもこっちでデータを見てるだけだとハッキリしないが・・・彼はどうやら、現実に無かった責めをクラスメートから受けたようだ』
「なに?それ?」
『現実には苛めの切っ掛けになった事件は回避したわけだが、それから我々が手を引いた後、彼のイメージの相沢さんが、彼に新たな方向から苛めを加え・・・そこ迄は想定内だが・・・その・・・どうやらそれが、より陰湿になったと言うか・・・』
「インシツ・・・・」
『陰湿と言うか・・・まぁ、彼の中のイメージでの事だ。色々な事が重なって・・・・まぁ、会ってみれば分かる事だ』
やな予感。
「けっこーあの人、教室ん中で素っ裸で犬の真似させられたりとかしたんでしょ?それよりひどいの?」
『まぁ、そうだ。だが、重ねて言うが、瑠夏はあくまで傍観者でいろよ。それが今回の仕事だ』
「・・・・」
気づくと、手をいっぱいぎゅぅっ!っとにぎってて、汗ばんでいる。
『じゃあ、準備が出来たら患者さんの中に送り込むが・・・』
「・・・うん。いいよ」
『もういいのか?』
「うん・・・待って!」
やな予感。
息を大きくすって、
「・・・いいよ」
さっさと終わらせたい。
『じゃあ、いくぞ?』
ブワッ!っと、空気がそのままで全部がゆれる。




学校に行きたくない。外に出たくない。味方は誰もいない。
弥南さんも、僕の味方じゃなかった。僕をからかってただけだ。
僕は女子たち、五人ほどに、使われてない教室に連れて行かれた。その中に相沢さんも、弥南さんもいた。
相沢さんも、弥南さんも、恐い。恐い。恐い。恐い。
女子たちはなんで、僕に恥ずかしい事させて喜ぶんだろう。
弥南さんが僕にしてくれた事も、みんなが言ったように『気持ち悪~いっ!』って思いながらしてたんだ。
弥南さんは冷たい目で、僕が女子たちの言いなりになっているのを黙って見てた。
相沢さんは・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・ニコニコしてた。
あの笑顔・・・・
吐き気がする。
恐い。
イヤだ。ウソだ。でも、現実に・・・・
忘れたいと思うほど脳ミソがひきつって、思い出す。甦る。恐い。恥ずかしい。気持ち悪い。痛い。
死にたい・・・
と、
一人っきりの、鍵をかけた筈の僕の部屋に、
「・・・・ね、ねぇ・・・・」
あの弥南さんの声。




アタシは再び患者さんの中に(部屋に)入り込む。
彼は、電気も点けない部屋で泣いていた。
布団をかぶっていたのが、アタシに気づくと、
「・・・弥南・・さん・・・ひっ!」
彼はおびえて後ずさりした。
ズキッ!っとアタシの胸が痛む。
彼は濡れた目で見てる。
小刻みに震えている。
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テーマ:18禁・官能小説 - ジャンル:アダルト

  1. 2014/08/01(金) 08:54:45|
  2. 瑠夏とぐるぐる
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